ブログBLOG

睡眠時無呼吸症候群の治療

2019年9月24日

風邪を引けば風邪薬、高血圧なら降圧剤。
それならSASは、なに薬!?

SASを治療すると、日中の「眠気」や「倦怠感」などの症状を改善できるだけでなく、SASによる合併症を予防したり改善したりすることが可能です。しかしその治療法は、高血圧症や糖尿病などのように、単に薬を服用するわけではありません。また、治療法には様々な種類があり、SASの症状や重症度に応じた治療が必要になります。

治療方法

マウスピース

SASが軽症から中等症の場合には、主に「マウスピース」が用いられます。睡眠時に装着すると、下あごを前方に引き出す効果があり、気道を広げ「無呼吸」や「低呼吸」を改善します。「マウスピース」を作成するためには、まずは「簡易検査」を行い、「マウスピース」の適応があるかどうかを判断します。適応ありとなれば、「マウスピース」を作成可能な歯医者さんで作成してもらいます。

シーパップ(CPAP)療法

SASが中等症から重症の場合には、主に「シーパップ(CPAP)療法」が行われます。「シーパップ(CPAP)療法」では、睡眠中、鼻に装着したマスクから適切な圧力をかけた空気を送り込むこと(持続陽圧呼吸)で気道を確実に広げ、「無呼吸」や「低呼吸」を改善します。CPAP療法を始めた多くの患者さんが、よく眠れるようになった、日中の眠気がなくなったなど、劇的な効果を実感されています。この治療法は、治療効果と安全性が十分に検証された治療法であり、現在SASの主たる治療法となっています。
このように、「シーパップ(CPAP)療法」には高い効果が認められますが、気道が狭くなることを根本的に解決するものではありません。したがって、外来通院による治療の継続が必須となります。
当院ではSASに対して「シーパップ(CPAP)療法」を行っております。働き盛りのお父さん、お母さん。平日はお仕事でお忙しいことと思います。当院は日曜も診察可能です。休日の空いた時間に、ぜひお気軽にご来院ください!

その他、SASの治療では、手術が行われる場合もあります。最も一般的な手術は、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)で、この手術では、口蓋垂、口蓋扁桃、軟口蓋の一部を切除して気道を広げます。SASの約50%の患者さんで有効と報告されていますが、術後の再発や合併症の可能性もあるため、その適応の判断には十分な術前評価が必要となります。

このように、SASの治療には様々な方法がありますが、大切なことは、治療とともに「生活習慣の改善」を行う、ということです。「減量」「禁煙」「就寝前の飲酒習慣」等がSASの一因となります。思い当たる節がある方は、もしかすると、それらをを改善させれば、SASが改善するかもしれません。