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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

2019年9月24日

たかがいびき!?
いえいえ、
されど「いびき」なんです。

SAS は、睡眠中に大きな「いびき」とともに何度も呼吸が止まる病気です。
医学的には、10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が弱くなる「低呼吸」が、1 時間あたり 5 回以上繰り返される場合にSASと定義されています。

2003年、山陽新幹線運転士の居眠り事故を契機に、SASは広く世間に知られるようになりました。
この事故は約800名の乗客を乗せた新幹線が、運転士が眠ったまま時速270kmで8分間走行し、岡山駅の100m手前で自動列車制御装置によって停車して事なきを得た、というものでした。
運転士は車掌が揺り起こすまで熟睡しており、後にSASと診断されました。
日本では現在300万人以上のSAS患者さんがいると推定されており、男性では働き盛りの40、50 歳代の方が全体の半数以上を占め、女性では閉経後に増加すると言われています。

しかし、その中で実際に治療を開始している人は約2割と非常に少なく、これはSASが睡眠中に起こるため、その存在に気づきにくいことが原因と考えられています。
しかし、SASを放置した場合、命に関わる可能性もあります。「無呼吸」や「低呼吸」による低酸素状態が続くことで心臓や血管に大きな負担がかかり、「高血圧」「不整脈」「動脈硬化」から、場合によっては「心筋梗塞」や「脳梗塞」を発症するからです。

また、低酸素状態と睡眠不足の影響で、糖の代謝にかかわる「インスリン」の働きを悪化させ、「糖尿病」の発症にも関わっていると言われています。
「脂質異常症」との関連も報告されており、SASが生活習慣病の発症に深く関与していると考えられています。
「無呼吸」や「低呼吸」によって低酸素状態になると、脳が目覚め、呼吸が再開します。
睡眠中にこのような状態が繰り返されると熟睡できず、睡眠時間は十分に足りていても「睡眠不足」となります。

そのため「日中の強い眠気」「倦怠感」「集中力の欠如」「記憶力の低下」「気分の落ち込み」などの症状があらわれ、仕事や勉強がはかどらないなど、作業効率の低下や性格の変化をきたすことがあります。
SASでは健常者の約7倍交通事故を起こしやすいとも報告されており、重度のSASでは、免許の拒否・保留・取り消しまたは停止の対象とされています。

このように、SASは日常生活に支障をきたし、健康障害を引き起こすだけでなく、公共の安全性にも影響を与える重大な病気です。
しかしSASは、早期に発見し適切に治療を行えば、生活の質が改善し、健康障害も予防することが出来るのです。
「眠気」や「だるさ」などのSASを疑う症状が気になる方、あるいは、「生活習慣病」が気になる方は、ぜひ当院で簡易検査を行ってみて下さい。
もしかすると、それらの症状や生活習慣病は、SASが原因かもしれませんよ!?簡易検査は、ご自宅で簡単な検査機器をセットして眠るだけ!私自身も行いましたが、非常に簡単な検査です。
当院は日曜も診察可能です。お気軽にご来院ください!